# 寅さんの口上全文が語る昭和の人情劇

## 男はつらいよシリーズの名台詞
山田洋次監督が描く国民的映画シリーズ「男はつらいよ」において、渥美清演じる車寅次郎が披露する「口上」は、日本映画史に残る名シーンのひとつ。毎回異なるバリエーションを見せるこの自己紹介文は、昭和の下町情緒と人間味を今に伝える文化遺産です。

## 完全収録｜寅さんの定番口上全文
「私この通り どうも～っ！生まれも育ちも葛飾柴又、帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎。世間様では『フーテンの寅』ってお呼びわりあそばし・・・（中略）・・・どうか皆様、末永くお見知りおきを！」

この骨太な自己紹介は、寅次郎の人生観を凝縮した詩のよう。江戸っ子の気質と放浪者の哀愁が交錯する名文は、観客の心に深く刻まれます。

## 口上の変遷と隠された真意
シリーズ全50作を通じ、寅さんの口上は時代と共に進化。初期の軽妙洒脱な調子から、後期作品では人生の哀感が滲む表現へ変化していきます。特に第48作「寅次郎紅の花」では、亡き妹さくらへの想いが織り込まれ、涙を誘う演出が施されました。

## 現代に生きる寅次郎哲学
「金なんて紙切れさ。本当の宝は人の情けだい！」
この名言に代表されるように、寅さんの言葉は資本主義社会へのアンチテーゼとして再評価されています。SNS時代の人間関係を見つめ直すヒントが、この口上文には数多く散りばめられています。

## 口上全文を味わうコツ
1. 江戸弁のリズムに耳を澄ます
2. 間（ま）の取り方に注目
3. 観客の反応と連動する語り口
4. 季節感あふれる比喩表現

寅次郎の口上は、単なる自己紹介を超えた人生劇場のプロローグ。各作品ごとの微妙な変化を比較しながら鑑賞すると、シリーズ全体の深みがさらに味わえます。

（※完全な口上全文は各作品のオープニングで確認可能。DVDボックス収録の台本集にも詳細記載あり）

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