1980年の大学偏差値から見る受験戦争の実態
1980年代の日本における大学受験は「偏差値教育」が全盛期を迎えた時代でした。当時の大学偏差値データを分析すると、高度経済成長期の教育事情や社会構造が浮き彫りになります。
偏差値システムの確立過程
1980年当時、大学進学率が40%を超える中で:
- 河合塾・代々木ゼミナールが初の全国規模模試を開始
- 大学群分類(早慶上智・MARCHなど)が定着
- 国立大学の序列が明確化(旧帝大・地方国立)
主要大学の推定偏差値(文系)
大学名 | 学部 | 偏差値 |
---|---|---|
東京大学 | 文科一類 | 78 |
京都大学 | 法学部 | 75 |
早稲田大学 | 政治経済学部 | 72 |
明治大学 | 法学部 | 65 |
時代背景の特徴
- バブル経済前夜の就職事情が進路選択に影響
- 予備校産業の急成長と情報社会化
「偏差値輪切り」と呼ばれた当時の教育システムは、企業の学歴偏重採用と相まって、熾烈な受験競争を生み出しました。(教育社会学者・中村明氏の分析より)
現在との比較では、東京大学の偏差値が当時より3~5ポイント高い数値となっている点が注目されます。これは少子化による相対的な競争率の変化や、偏差値算出方法の改定が主な要因です。