旭琉会(きゅうりゅうかい)の現在の状況について、2023年時点の最新情報を解説します。沖縄を拠点とする指定暴力団として知られる同組織は、近年の暴力団排除条例の強化により大きな影響を受けています。
警察庁の資料によると、2022年末時点での構成員数は約200人規模と推定され、沖縄県内では依然として最大規模の反社会勢力として警戒対象となっています。特に観光業が盛んな那覇市周辺での資金獲得活動が活発化しているとの報告があります。
現在の主な収益源としては:
1. 建設業界への介入(土木工事の口利き)
2. 飲食店経営(主に那覇市の繁華街)
3. デジタル詐欺への関与疑い(フィッシング詐欺支援)
4. 伝統的なみかじめ料の徴収
近年特徴的なのは、新型コロナウイルス禍を逆手に取った「支援金詐称融資」への関与が警察当局から指摘されている点です。2023年6月には、旭琉会系組員が政府系融資制度を悪用した容疑で逮捕される事件が発生しています。
暴力団排除条例の徹底により、現在では以下の制約を受けています:
・銀行口座の開設制限
・公営住宅への入居禁止
・保険加入の制限
・公共工事への参加禁止
沖縄県警の「頂上作戦」と呼ばれる集中取締りにより、2023年上半期だけで23件の摘発が行われています。特に注目されるのは、従来の暴力手法からサイバー犯罪へのシフト傾向で、専門のIT技術者を抱えているとの情報もあります。
今後の課題として、組織の若年層化と国際ネットワークの拡大が警察当局から指摘されています。フィリピンや東南アジアとの密接な連携が確認されており、マネーロンダリング経路の多様化が懸念材料となっています。